有馬温泉と神戸の食べ物―是非とも試すべき3つのこと

A Japanese inn of Arima hot spring and Kobe beef on a plate
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目次

試すべきこと1: 金泉と銀泉を体験する

有馬温泉

The signboard of Arima onsen station

神戸の有馬温泉は、1300年以上の歴史を持つ日本最古の温泉のひとつとして知られている。神戸の中心部から神戸電鉄で約20分とアクセスも良い。

Arima river and rokans(traditional Japanese Inn)

有馬には火山活動は存在しない。では、何故、有馬には温泉が湧き出るのか。その理由は、地殻活動にある。フィリピン海プレートが日本列島に沈み込んだ際に地下に引き込まれた海水が、地下60キロで地熱によって温められた結果、温泉として湧き出しているのだ。

こんな温泉は世界でもほとんど例がない。有馬の温泉は600万年前の海水ということになる。

有馬温泉は、日本国政府が、療養泉の成分として指定している9つの成分のうち7つを含む世界でも珍しい泉質を誇っているのだ。

金泉と銀泉

有馬温泉には金泉と銀泉の2種類の温泉がある。

Source of kinsen

“金泉 “は鉄分と塩分を多く含む温泉で、鉄分が酸化してできた独特の茶褐色をしており、古くから利用されてきた。金泉にはプレートの成分から塩分や鉄分などが溶け出している。

海水よりも塩分濃度が高い金泉は、肌を薄い膜で包み込み、温泉から上がった後も保湿効果が持続する。

上の写真は金泉の源泉の1つ。

Tansansen Gensen Koen(carbonated spring park)

一方、”銀泉 “は炭酸泉とラドン泉に大別される。

プレートから湧き出た水は炭酸ガスを放出する。この炭酸ガスと地下水が反応して銀泉が生まれる。銀泉は血流を良くする働きがあると言われている。

上の写真は炭酸源公園。炭酸泉が湧き出ている。

The building of Kin-sen (gold spring) and Gin-sen (silver spring)

温泉旅館には金泉の風呂のところもあれば、銀泉の風呂のところもある。もし宿泊した旅館が、金泉と銀泉のどちらか一方の場合は、公営の温泉を利用してみよう。金泉は「金の湯」(写真左)、銀泉は「銀の湯」(写真右)をリーズナブルな料金で利用することができる。

金の湯・銀の湯の詳細については、こちらの「金の湯・銀の湯」のホームページから。

有馬温泉の街を散策する

Public use onsen for foot

街には無料の「足湯」がある。15分浸かるだけで、全身がポカポカになる。ぜひお試しを! 金の湯の近くの足湯は無料で楽しめる。

Arima onsen town where many small stores standing along an alleyway

有馬温泉では、狭い路地が街中に広がっている。小さなレストランや土産物屋も多く、散策がお薦めだ。

有馬サイダー

A bottle of Arima cider and a glass on a tray

近づく鳥や虫が動かなくなることから、炭酸泉はかつて、毒水と恐れられていた。しかし、明治時代(1868-1912)初期にその有用性が証明されて以来、炭酸泉は飲みものや土産物に利用されるようになった。

こうして、日本で最初のサイダーとして有馬サイダーは誕生したのだ。有馬サイダーのラベルには、「毒水とおそれられた炭酸水が日本のサイダーの原点」と書かれ、開けた時にフタが飛び出す様子が、大砲のように見えたことから、大砲のイラストがデザインされている。

有馬サイダーは炭酸が強く、飲むと「ゲップ」が出る。一方で、ほのかな甘みがあり、温泉を楽しんだ後の喉の渇きを癒すのに最適だ。

炭酸せんべい

Some tansan senbei (crackers made with carbonated water) are on a plate

炭酸泉を利用したもうひとつの例が、「炭酸せんべい」だ。パリッとした食感とほのかな甘みが特徴だ。炭酸水を使って作られた煎餅は、普通の水で作られた煎餅よりもサクサクしているという。

炭酸せんべいは、もともと小麦粉と砂糖などで作った素朴なお菓子だが、最近では、抹茶を混ぜこんだ抹茶炭酸せんべいや、炭酸せんべいの間にバニラや苺のクリームを挟んだ炭酸クリームせんべいもある。

試すべきこと2: 神戸牛の「すき焼き」と「しゃぶしゃぶ」

神戸牛

Marbled Kobe beef and vegetables in a kitchen

神戸ビーフは、兵庫県で生産される但馬牛の中でも、生育環境と肉質について一定の基準を満たすように厳選された希少な品種だ。神戸ビーフに選ばれるのは、年間わずか5500頭なのだ。

「サシ」とは、赤い筋繊維の中に含まれる脂肪部分。神戸ビーフの特徴のひとつは、細かいサシがたくさん入った「霜降り」だ。但馬牛は筋繊維が細いため、細かいサシが多く入っている。

3 sliced beef steak is on a plate

神戸に来たら、神戸牛のステーキは外せない。ジューシーな肉質と香ばしいサシ(脂肪分)の組合せが絶妙だ! 神戸牛のサシは他の和牛よりも融点が低く、舌の上でとろけるような食感。

Beef steak being cooked on a hot plate

神戸牛のステーキが食べられる店は多いが、代表的なのはステーキハウスや鉄板焼きレストランだろう。肉屋が経営している店もある。もちろんホテル内のレストランでも食べられる。

「すき焼き」と「しゃぶしゃぶ」

アメリカやヨーロッパでは、ビーフステーキは食べるが、アジア人と違って薄切り牛肉はあまり食べない。薄切りの牛肉は味も食感もステーキとは違い、タレとよく絡む。すき焼きやしゃぶしゃぶといった日本の薄切り牛肉を使った代表的な牛肉料理を、来日の際には、是非試していただきたい。

すき焼き

Sukiyaki being cooked in a nabe (hot pot)
Sukiyaki dipped in beaten egg

すき焼きの焼き方は、関東*と関西**で異なる。関東では、まず割り下(醤油、酒、砂糖、だし汁で作った調味液)を鍋で煮立て、牛肉と野菜を一緒に煮込む。他方、関西では、まず牛脂を入れた鍋で牛肉を焼いてから、砂糖と醤油で味付けし、後から野菜を入れて野菜の煮汁で煮込む。

関東風も関西風もどちらも溶き卵で食べる。醤油、酒、砂糖などで甘辛く味付けされた牛肉が溶き卵とよく合い、まろやかな味わいになるのだ。

*東京とその周辺の東日本の地域 **大阪とその周辺の西日本の地域

しゃぶしゃぶ

Shabu-shabu in the cooking process
Shabu-shabu being dipped in sesame sauce

しゃぶしゃぶは、ごく薄く切った牛肉を箸から離さずに、煮汁に短時間くぐらせてから、ポン酢やゴマダレにつけて食べる。

 すき焼き・しゃぶしゃぶについて詳しく知りたい方は、こちらから:“知っておきたい8つの日本食” / “すき焼き・しゃぶしゃぶ “

試すべきこと 3: 神戸のご当地料理を味わう

神戸には、外国人観光客がほとんど知らない郷土料理がたくさんある。

明石焼

Many akashiyaki(octopus dumplings) on a tray

明石焼きは、一口大のタコを卵と小麦粉の生地で包んだ丸い形の食べ物だ。淡い黄色の見た目と、その優しい卵の風味から、神戸周辺では玉子焼きとも呼ばれる。

Akashiyaki(octopus dumplings) in a dipping sauce

明石焼きは出汁につけて食べる。卵の味が出汁の味とマッチして何とも言えず美味しい。

明石焼きは、たこが入った丸い形をしており、たこ焼きに似ている。実は、たこ焼きの誕生秘話は明石焼きと深い関係があるのだ。たこ焼きについて詳しく知りたい方は、こちらから:“知っておきたい8つの日本食” / “お好み焼き・たこ焼き “

味噌ダレで食べる焼き餃子

Gyoza(dumpling) lifted with chopsticks

焼き餃子は日本でとてもポピュラーな料理で、醤油、ラー油、酢からなるタレをつけて食べるのが一般的だ。

Gyoza(dumpling) with soy-sauce-based dipping sauce and miso dipping sauce

神戸でラーメン屋や餃子専門店に行くと、味噌、砂糖、酢、ニンニク、すりゴマなどから作った味噌ベースのつけダレが出てくる。(写真右が味噌ベースダレ、左は醤油ベースダレ)

味噌ベースのタレだけで食べてもよいが、これに、醤油やラー油を混ぜて食べるのがオススメだ。

ぼっかけ

Bokkake(traditional Kobe food )on a plate

「ぼっかけ」は、牛すじとこんにゃくを醤油、酒、みりんなどの調味料で作った甘辛いタレで煮込んだ料理だ。第二次世界大戦後の食糧難の時代に、固くて捨てられていた牛すじを食べる方法として考え出された。

「ぼっかけ」は、上から何かをかける意味の「ぶっかけ」から来ている。 神戸の人はよく、うどんの上に牛すじやこんにゃくをかけて食べていた。これが「ぼっかけ」の由来。

Bukkake udon(Japanese thick noodles) and bukkake okonomiyaki

ぼっかけは、うどんの上にのせたり(写真左)、お好み焼きに混ぜたり(写真右)して食べることが多い。

お好み焼きについて詳しく知りたい方は、こちらから:“知っておきたい8つの日本食” / “お好み焼き・たこ焼き “

ネイティブ日本人からのアドバイス

神戸の夜景は圧巻

有馬温泉を楽しんだ後は、有馬温泉の町を散策するのも楽しい。夜は神戸の夜景を楽しむという手もある。

A beautiful view from Rokko ropeway

六甲ー有馬ロープウェイの有馬温泉駅から六甲山頂駅までロープウェイで12分。そこには神戸の雄大な景色が広がっている。(ロープウェイの有馬温泉駅と神戸電鉄の有馬温泉駅は別の駅なので要注意!)

六甲ー有馬ロープウェイの詳細については、こちらの「六甲ー有馬ロープウェイ」のホームページから。

A beautiful night view of Kobe from Maya Mountain

日が沈み、空が徐々に暗くなるにつれ、灯りがポツリポツリと点いていくと、そこには何とも美しい夜景が現れる。見逃すことなかれ。

自分で「ぼっかけ」作る

すでに述べたように、ぼっかけは神戸が誇る郷土料理である。これを家で自分で作ってみよう。

ぼっかけのレシピ

牛すじとコンニャクを下処理する
Diced beef and konjak

牛すじ3.5オンス(100g)とこんにゃく2オンス(60g)を一口大に切る。

水に牛すじを入れて茹でる。沸騰したら弱火にし、5分ほど煮る。その後、余分な脂を水でよく洗い流す。

沸騰したお湯でこんにゃくを2~3分茹でる

柔らかくなるまで牛すじを煮る
Cooking process of beef tendon

少量のショウガ(5g)、長ネギ1オンス(30g)をスライスする。

鍋に茹でた牛すじ、スライスしたショウガ、長ネギを入れ、全体がかぶるくらいの水を加える。

沸騰したら弱火にし、とろ火で1時間煮る。 途中、煮汁が少なくなり、具材が水面から出そうになったら、具材が隠れる程度に少量の水を加える。

ザルにあけて湯を切り、牛すじだけを取り出す。

牛すじとコンニャクを煮込む
Diced beef tendon and konjac being cooked in a pot

茹でた牛すじとこんにゃくを小鍋に入れる。

水5 flオンス(150ml)、しょうゆ大さじ1(15ml)、みりん大さじ1(15ml)、酒小さじ2(10ml)、砂糖小さじ1(4g)を混ぜ合わせ、鍋に入れる。小鍋を使うことで、少量の水で具材全体が水に隠れるようにできる。

沸騰したら弱火にし、クッキングペーパーで蓋をして30分ほどとろ火で煮て味をしみ込ませる。煮汁が少なくなり、具材が水面から出そうになったら、具材が隠れる程度に少量の水を加える。

水分が3分の1程度になったら火を止め、さらに30分ほど置いて味をしみ込ませる。

ぼっかけ丼を仕上げる
Bokkake, Kobe soul food consisting of beef tendon and konjac seasoned with soy sauce etc., in a bowl

刻んだ青ネギをのせれば、1人分のぼっかけのできあがり!

ぼっかけ丼

Bokkake-don(rice bowl topped with beef tendon and konjac seasoned with soy sauce and other Japanese seasonings)

ぼっかけ丼も人気メニューだ。炊いたご飯にぼっかけをかけるとぼっかけ丼になる。 日本では生卵をかけて食べることが多いが、生卵はなくてもよい。日本では生卵は様々な料理のトッピングとしてよく使われる。

生卵について詳しく知りたい方は、こちらから:“知っておきたい8つの日本食” / “卵かけごはん “

アクセス情報

有馬温泉へ

神戸電鉄「有馬温泉駅」目の前

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六甲ー有馬ロープウェイの有馬温泉駅へ

神戸電鉄「有馬温泉駅」徒歩約17分またはタクシー約3分

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