浅草観音と海老のてんぷら―是非とも試すべき3つのこと

Kaminari-mon gate of Asakusa Kannon temple and shrimp tempura
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試すべきこと 1: 浅草観音の伝統行事に参加する

浅草観音 (浅草寺)

Hozomon Gate and five-story pagoda of Sensoji Temple

浅草寺は外国人観光客に最も人気のある観光地のひとつだ。エキゾチックな朱塗りの門、本堂、五重塔は圧巻だ。

Nakamise street lined with souvenir shops of crowded with many visitors

本堂に続く仲見世商店街には、日本の伝統的な小物やお菓子を売る店がたくさんある。精巧に作られた木製のミニチュア食器や家具を売る店などもある。

Rice crackers being baked on a net

目の前で焼いてくれるせんべいを売る店もあれば、伝統的な和菓子などを売る店もある。こういった店のお菓子を食べながら仲見世を歩くのも楽しい。

3 big red lanterns of Sensoji Temple

浅草寺の入り口から本堂に向かって歩くと、浅草寺近在の地域などから寄贈された、3つの大きな赤い提灯が目に入る。

A large straw sandal hangs from the Hozomon gate

宝蔵門には、長さ4.5メートル、幅1.5メートル、重さ500キロの大わらじが吊るされている。これは浅草寺の仁王様の力を表しており、このような大きな草鞋を履いた仁王様を恐れて鬼が退散すると言われている。

ほおずき市

浅草寺にきたら、そこで行われる伝統行事を是非とも体験してほしい。

浅草寺には月に一度の功徳日がある。特に7月の功徳日は「四万六千日」と呼ばれ、その日に参拝すると、四万六千日分の功徳があるとされる。

A lot of hanging lantern plant pots

ほおずき市は7月の功徳日(四万六千日)に開かれる。浅草寺の境内をほおずきを売る露店が埋め尽くす光景は、浅草の夏の風物詩である。なぜ、ほおずきか? ほおずきを丸ごと水て飲みこむと、大人はなかなか治らない持病が治り、子供は腹痛が治るという民間信仰があったからだ。

Colorful wind bells sold at the Hozuki Market

ほおずき市では、色とりどりの風鈴も売られている。風に揺られ、チリンチリンと鳴る風鈴は、涼しさを感じさせてくれる。

羽子板市

A lot of beautiful hagoita (feather boards)sold at Hagoita Market

12月になると、境内には羽子板を売る店が何十軒も並ぶ。新年にかけて開かれる羽子板市は正月の浅草の風物詩となっている。

正月には、鳥の羽で作った羽根をラケットで売って遊ぶが、そのラケットが羽子板だ。羽子板市では、美しい絵が描かれた羽子板が新年を祝うために売られている。

羽子板はもともと、鳥の羽でできた羽根が虫(悪病)を食べるトンボに似ていることから、新年の縁起物とされていた。やがて、生まれたばかりの女の子の家に羽子板を贈る風習が広まった。

試すべきこと 2: 隅田川の桜と花火

隅田川の桜

A boat going along the Sumida River amidst cherry blossoms in full bloom

3月下旬から4月初めに浅草を訪れるなら、隅田川の桜の花見を楽しみたい。

墨田区側には約300本、対岸の台東区側には約600本の桜が植えられている。桜並木は隅田川の両岸に約1kmにわたって続く。東京スカイツリーと桜並木のコラボレーションを楽しむこともできる。日本のさくらの名所100選にも選ばれている。
隅田川の屋形船や水上遊覧船に乗って、両岸の桜並木を眺めるのもおすすめだ。

Sky Tree seen beyond the nighttime cherry blossoms

夜には桜の木がライトアップされ、幻想的な風景を創り出す。隅田川の夜桜越しに眺めるスカイツリーは絶景だ。

隅田川の花火

Night view of Sumida River and beautiful fireworks

隅田川花火大会は、日本最古の花火大会と言われている。1733年(江戸時代)、両国橋の川開きの日に、死者の霊を弔い、厄除けを祈願する水神祭が行われたのが始まりとされる。約2万発の花火が打ち上げられる。

試すべきこと 3: 海老の天ぷらを味わう

海老の天ぷら

Shrimp tempura being fried in oil

現存する最古の天ぷら店は、1837年(江戸時代)に創業した浅草の雷門三定と言われている。浅草には昔からの天ぷら屋が多い。天ぷらは昔は、江戸湾(今の東京湾)で獲れた新鮮な魚介類を調理して手づかみで食べる食べものだった。

天ぷらの語源は、ポルトガル語で調理することを意味する「tempero」だと言われている。

天ぷらの中でも海老の天ぷらは格別だ。食べると、まずカリっとした衣の食感が来て、次に弾力のある海老がプリっと噛み切れ、そして海老の旨味が口の中に広がる。海老の天ぷらといえば、揚げ方が命。火を通しすぎると身がパサパサになって固くなる。優れた天ぷら職人は、天ぷらを油から引き上げるタイミングを、天ぷらが揚がる音で判断していると言われる。

使う油の種類も店によってこだわりがある。綿実油は素材の味を邪魔しない控えめな風味が特徴だ。一方で胡麻油は胡麻を炒って絞ったものだが、琥珀色で香ばしい香りがする。

天ぷらそば

天ぷらは天ぷら屋で食べられるが、様々な日本料理屋でも食べることができる。天ぷらそばは、そば屋の定番メニューだ。

Tenzaru soba (shrimp tempura and cold soba served separately) on a tray

天ぷらそばには2種類のものがあり、冷たいそばに海老の天ぷらを別皿に盛った天ざるそばと、温かい汁にそばが入って、海老の天ぷらをのせた天ぷらそばがある。

Tempura soba topped with shrimp tempura in hot soup

天ぷらそばは、出てきてすぐに食べるとカリっとした天ぷらの衣が楽しめるが、少し時間が経つと汁を吸って柔らかくなる。つまり、時間が経つにつれて2種類の味が楽しめるのだ。衣の油がスープに溶け出し、スープの味も変わってくるのだ。

そばについて詳しくはコチラから: ”知っておきたい8つの日本食” / “そば”

天丼

Tendon(a bowl of rice topped with tempura) topped with a large shrimp tempura

天ぷらといえば、忘れてはならないのが天丼だ。炊きたてのご飯の上に天ぷらをのせ、醤油、砂糖、出汁で作った甘いタレをかけて食べる。衣の油と甘いタレの味、そして海老の風味のコンビネーションが絶妙だ。

ネイティブ日本人からのアドバイス

三社様 (浅草神社)

The main hall of Sanja-sama decorated with shimenawa (sacred straw ropes)

浅草神社は三社様とも呼ばれる。

浅草寺(浅草観音)と浅草神社(三社様)は近くにあるが、そもそもどう違うのか。それを理解するには、寺と神社の違いを理解する必要がある。

寺は仏教の為のものだ。仏教は古代インドで生まれたブッダが開いた宗教で、ユーラシア大陸から中国を経て日本に伝わった。
寺は仏教を信仰する僧侶が教義を学び、修行をする場所だ。

一方、神社は神道の為のものだ。神道は日本古来の宗教だ。神道では、自然、人、物、土地などすべての存在を神、すなわち八百万(やおよろず)の神として祀る。神社はその神々が鎮座する場所なのだ。

浅草寺は、漁師の兄弟が隅田川で見つけた菩薩像を、地元の有力者が自分の家に祀り、寺としたことがその始まりだ。
その後、その兄弟と地元の有力者を祀るために建てられたのが浅草神社だ。

Numerous sacred animals depicted at Asakusa Shrine

浅草神社には数多くの神獣が描かれている。そのほとんどは架空の動物だが、いずれも平和の象徴であり、人々の幸せを願うものだ。左上に描かれている飛龍は、水を司る翼をもつ魚だ。

一方、右上に描かれている麒麟は、古代中国の思想において最も有名な神々の一つで、鹿の体、狼の頭、牛の尾、馬の脚を持ち、角も生えている。麒麟は草や虫をも踏まない慈悲深い獣で、優れた王が現れると現れる神だと言われている。

Many people carrying Mikoshi (portable shrines) at the Sanja Festival

三社祭は5月に開催され、江戸情緒を残す日本を代表する祭で、3日間で約180万人を動員する。勇壮かつ華やかな神輿を担ぐのが特徴的だ。

浅草の一年で最も賑やかな祭りといわれ、東京の初夏を代表する祭りのひとつだ。大勢の人々が威勢よく神輿を担ぐ姿は必見だ。

神社と同じ構造で造られた神輿の中には神様がいると信じられている。祭りの時には、神様は神輿にのって移動するのだ。神輿は、疫病や災害の時に、地域のお祓いとして担ぐようになったのが始まりだ。

酉の市

Tori-no-ichi at Otori Shrine with a large rake on display

酉の市は11月の酉の日に開運と商売繁盛を願うお祭りで、江戸時代から続く代表的な年中行事である。この時期に浅草を訪れるなら、鷲神社(おおとりじんじゃ)の酉の市に行ってみたい。

酉の市では熊手が売られている。熊手はもともと落ち葉や穀物をかき集める農具だが、転じて福や金銀を集める縁起物になったという。

縁日と屋台

Shrine festival at night crowded with many people

縁日は、神社やお寺で法要にちなんだ特定の日に行われるお祭だ。縁日の日に神社やお寺にお参りすると、いつも以上に大きなご利益があると信じられている。

縁日には、ほおずき市、羽子板市、酉の市、三社祭などが行われる。縁日には神社仏閣の境内に屋台が並び、参拝客で賑わう。レンタルした着物を着て、日本人に混じって屋台を楽しむのも浅草の楽しみ方のひとつだ。

食べ物の屋台

Cooking scene of takoyaki (octopus balls) at a food stall
Okonomiyaki being cooked on a teppan

たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼き鳥などが食べ物屋台の代表だ。りんご飴やわたあめの屋台も人気がある。

お好み焼き・たこ焼きについて詳しくはコチラから: ”知っておきたい8つの日本食” / “お好み焼き・たこ焼き”

その他の屋台

Children in yukata(a casual summer kimono) enjoying goldfish scooping

食べ物以外にもたくさんの屋台がある。風鈴やアニメヒーローのお面を売る屋台などだが、特徴的なのは金魚すくいだ。

ポイと呼ばれる薄い紙で金魚をすくい、すくった金魚は持ち帰ることができる。金魚をすくい上げるのはいいが、容器に入れるまでに紙が破れて金魚が逃げてしまうことが多い。子供の頃、次こそは金魚を捕まえようと何度も挑戦したが、結局1匹も捕まえられないこともあったものだ。

カラフルなヨーヨーをすくうヨーヨーすくいの屋台などもある。

合羽橋道具街

Entrance to Kappabashi shopping street with a large cock's face sculpture

合羽橋道具街は、食器や包装資材、調理器具などプロ向けの商品を扱う問屋が170軒以上並ぶ問屋街だ。

A kitchen knife specialty store in the Kappabashi shopping arcade with many kitchen knives

海外からの観光客に人気なのは、切れ味抜群の包丁だ。日本刀をイメージする観光客も多いという。

A special frying pan for omelet sold in Kappabashi shopping arcade

日本の玉子焼きは日本料理の代表的なイメージを持つことから、最近では家庭で玉子焼きが作れる玉子焼き器が人気だ。

Lifelike food samples sold in the Kappabashi shopping arcade

食品サンプルも大人気だ。食品サンプルは日本独自の文化と言われている。モノを精巧に作るのは日本人の得意とするところ。本物と見分けがつかないほど精巧に作られたものも多い。食品サンプルは基本的に飲食店のメニューに使われるが、食品サンプルのキーホルダーなどもお土産として売られている。

アクセス情報

浅草観音(浅草寺) 及び 三社様(浅草神社)へ

 東武線「浅草」駅より徒歩5分

 東京メトロ銀座線「浅草」駅より徒歩5分

 つくばエクスプレス「浅草」駅より徒歩5分

 都営地下鉄浅草線「浅草」駅より徒歩5分

鷲神社へ

 東武線「浅草」駅より徒歩15分

 東京メトロ銀座線「浅草」駅より徒歩15分

 東京メトロ銀座線「田原町」駅より徒歩15分

 東京メトロ日比谷線「入谷」駅より徒歩7分

 つくばエクスプレス「浅草」駅より徒歩8分

合羽橋道具街へ

 東武線「浅草」駅より徒歩13分

 東京メトロ銀座線「田原町」駅より徒歩5分

 東京メトロ日比谷線「入谷」駅より徒歩6分

 つくばエクスプレス「浅草」駅より徒歩5分

 都営地下鉄浅草線「浅草」駅より徒歩13分




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