試すべきこと1:伏見稲荷でいなり寿司を味わう
伏見稲荷
伏見稲荷大社は日本で最も人気のある神社のひとつだ。中でも、千本鳥居と呼ばれる日本の伝統的な鳥居には、日本人ですらエキゾチシズムを感じる。千本鳥居は800本余りの朱色の鳥居からなる。朱色は災いを防ぎ、魔除けになると信じられている。
それぞれの鳥居は、17世紀初頭から参拝者によって寄進されたと言われている。今でも寄進によって自分の鳥居を立てることができるが、数年待ちの状態だ。
稲荷は農耕の神を祀る寺社であり、境内にはたくさんの狐の像がある。狐は農作物をネズミから守る神の使いだと信じられている。伏見稲荷大社は、全国に3万ある稲荷(神社と寺)の総本社だ。
伏見稲荷の狐の像は何種類かあり、狐自体の形や、狐が口にくわえているものが異なる。それぞれの狐は、稲穂、巻物、玉、鍵のいずれかをくわえている。稲穂は神様のご加護、巻物は知恵、玉は神様の霊力、鍵は宝物庫の鍵を表している。何種類の狐の像があるのか、探してみるのも楽しいだろう。
いなり寿司
油揚げはキツネの好物だと伝えられている。もともとはネズミを油で揚げたものをお供えしていたが、仏教の教えで動物を殺すことが禁止されたため、揚げたネズミの代わりに、油揚げをお供えするようになったという。そのため、油揚げを使った寿司をいなり寿司と呼ぶようになった。
いなり寿司を伏見稲荷の境内の店で食べてみよう。伏見稲荷の境内には、いなり寿司を出す小さな店がいくつかある。
いなり寿司だけでは物足りないので、そばやうどんと一緒に食べるのもいい。上の写真は、いなり寿司と昆布うどんだ。
伏見稲荷の境内で食べ損ねても、伏見稲荷大社から京阪電車の伏見稲荷駅まで行く途中に、いなり寿司が食べられる日本食レストランがいくつかあるので、心配無用だ。
試すべきこと2:狐の形の陶器に入ったおみくじを買う
おみくじ
おみくじは神社やお寺で買う紙片で、運勢を占う為のものだ。おみくじの箱からおみくじを引く。 寺社によっては、宝くじ箱のような箱から、数字が書かれた棒を引き、その数字の書かれたおみくじを、木の引き出しから自分で取り出したり、巫女さんから受け取ったりする場合もある。
おみくじには、その年の運勢が「大吉」「吉」「小吉」「末吉」「凶」の漢字一文字で書かれている。さらに、おみくじには、願い事、落とし物、勉強、争いごと、健康、仕事、財産、恋愛など、人生のさまざまなことに関するアドバイスも書かれている。
荒木神社でおみくじを買う
荒木神社には、恋人や友人、また物との良縁を結ぶ縁結びの神様が祀られている。荒木神社には、着物姿の狐の人形がたくさん飾られており、私のおすすめフォトスポットのひとつだ。
荒木神社は、稲荷山の山頂から反時計回りのルートで下山すると、稲荷山の麓近くにある。
しかし、初めての場合、わかりにくいので、次のルートで荒木神社に行くことをお勧めする;
まず伏見稲荷大社の本殿に行き、左斜め前に進み、階段を上がると広いスペースがある。
千本鳥居は右、稲荷茶寮は左と書いてある。
稲荷茶寮は伏見稲荷大社の境内にある喫茶店だ。茶寮を目指して左手に進む。茶寮があったら、茶寮を右手に見ながら直進し、道なりにしばらく行くと荒木神社がある。
荒木神社のおみくじは狐の形をした陶器に入っており、自分で選ぶことができる。狐の表情は微妙に違うので、気に入ったものを選ぶようにしよう。微笑んでいるような表情もあれば、思慮深い表情のものもある。
荒木神社のおみくじは、上の写真のように日本語、英語、その他の言語で書かれている。これは、今日では他の多くの寺社でも同様だ。
おみくじを手に入れたら、おみくじを売っている場所の近くの針金や枝に結びつけよう。 神社やお寺でおみくじを結ぶと、神様と結ばれると信じられているからだ。もちろん、おみくじを持ち帰ることもできる。占いが当たることを祈って財布に入れて持ち歩くのもよい。
試すべきこと3:自宅でいなり寿司パーティーを開こう
いなり寿司の基本的な作り方
酢飯の準備
まず、炊いたご飯に米酢、砂糖、塩を混ぜて酢飯を作る;
日本の短粒米を炊き、1.5ポンド(680g)を大きなボウルに入れる。
米酢大さじ3杯(45ml)、砂糖小さじ5杯(20g)、塩小さじ1杯(6g)を混ぜて寿司酢を作る。
炊き上がったご飯に寿司酢をふりかける。
酢飯を作るときは、ご飯を混ぜるのではなく「切る」ようにすると、ご飯がべちゃべちゃにならない。
いなり揚げの下ごしらえ
次に、水、砂糖、しょうゆ、みりんで作ったタレで、油揚げを以下のように煮て、いなり揚げを作る;
油揚げ10枚を半分に切る。
油揚げは熱湯で湯通しし、余分な油を落とす。
水fl 4.5オンス(135ml)、砂糖大さじ6杯(72g)、しょうゆ大さじ5杯(75ml)、みりん大さじ1杯(15ml)を混ぜ合わせ、タレを作る。
油揚げをタレがなくなるまで煮る。
いなり揚げは、お店でパックされたものを買うのも手軽でよい。
いなり揚げを酢飯に詰める
いなり揚げはとても破れやすい。いなり揚げを破らないように注意して開き、切り口から指先でポケットを作る。そして、いなり揚げに少しずつ酢飯を詰めていく。 6~8人分のいなり寿司ができる。
いなり寿司のバラエティ
伝統的ないなり寿司ではなく、オリジナルのいなり寿司で、いなり寿司パーティーを開こう! 好きなトッピングでOKだ。
スモークサーモン、アボカド、海老、細く切った卵焼きなどを使うと、見た目にも美しいいなり寿司ができる。白ワインがよく合う。
サラダ感覚のいなり寿司もおすすめだ。ツナフレーク、スライスしたキュウリ、コーンをマヨネーズで和えたツナサラダを作り、いなり寿司にのせる。クリーミーなツナサラダが、甘めのいなり揚げと酢飯によく合う。
参加者が自分の好きなトッピングを選んでいなり寿司にのせられるように、ボウルにトッピングを用意しておくのもひとつのアイディアだ。 薄くスライスしたスリ身やキュウリ、イクラなどはサラダ感覚でヘルシーなトッピングになる。
ちらし寿司
酢飯の作り方が分かったので、それをちらし寿司に活用してみよう。「ちらし」とは「散らす」という意味で、酢飯の上に色とりどりの具材を散らす様子からその名がついたと言われている。
難しいテクニックは必要なく、家庭でも簡単に作れる。使う具材に特別な決まりはなく、華やかに飾ることが大切だ。海老、サーモン、マグロ、アボカドなど好きなネタで、ちらし寿司を作って、ホームパーティーを開いてみてはどうだろうか。
ちらし寿司は、誕生日やお祝いの日に食べるほか、女の子のいる家庭では、女の子の健やかな成長と幸せを祈るひな祭り(3月3日)にも食べる。
さて、いなり寿司もちらし寿司も作れるようになったわけだが、日本には、この他にも数種類の寿司がある。寿司について詳しく知りたい方は、こちらから:“知っておきたい8つの日本食” / “寿司 “
ネイティブ日本人からのアドバイス
御朱印
神社やお寺を参拝に来た日本人のうちの多くが、その参拝証明書である「御朱印」をもらう。神社やお寺にはそれぞれオリジナルの御朱印があるのだ。
御朱印は、参拝日、神社名・寺社名、神仏名を筆で墨書きし、朱印を押したものである。
伏見稲荷大社へ行ったら、日本人に混じって御朱印をもらってみよう。御朱印をもらうには御朱印帳が必要だが、御朱印をもらう場所で購入できる。
稲荷山の山頂へのアプローチ
千本鳥居や有名な場所だけを参拝して帰ってしまう参拝者も多い。しかし、実は伏見稲荷大社は、数多くの小さな神社を含む稲荷山全体が信仰の対象なのだ。稲荷山の頂上まで登って戻ってくるには、約2時間、距離にして2.5マイル(4Km)ほどだ。
山頂を目指すなら、反時計回りのルートで個々の神社をめぐってみよう。ルートを進むと、道は一旦大きく下るが、標識に従って歩けば、最後はまた上って山頂に至るのでご心配なく。
山頂に近づくと、参拝者が道の右側に列に並んでいる。この時、誰も並んで居ないからといって、左側に出て進むと、山頂にある末広大神の入口に並んでいる人の列に、途中から入れないので注意が必要だ。参拝者は右側の列で末広大神の参拝の順番を待っているのだ。
「末」は未来、「広」は広がるという意味で「末広」は、未来が広がることを意味する。末広大神はスピリチュアルなエネルギーを持つ場所と呼ばれている。
夜の伏見稲荷
伏見稲荷は24時間開門している。 早朝でも夜遅くでも、いつでも参拝できる。
夜の伏見稲荷はまた違った顔を見せる。ランプで照らされた幻想的な雰囲気に包まれる。ただし、足元は明るくないので、つまずいたり転んだりしないように注意が必要だ。また、イノシシが出没することもある。そのため、夜の伏見稲荷は特に注意が必要だ。
ちなみに、2022年と2023年は、10月の約1週間、千本灯籠と呼ばれる特別ライトアップイベントがあった。 伏見稲荷を訪れる予定のある方は、その年もあるのか、また、いつ行われるのかをチェックしておくといいだろう。
伏見の酒蔵エリア
もし時間があり、日本酒に興味があるなら、伏見稲荷大社の後に伏見の酒蔵エリアを訪れるのも良いアイディアだ。 伏見は「名水百選」にも選ばれた名水が湧き出る日本有数の酒どころとして知られている。
伏見には100年以上の歴史を持つ酒蔵を含め、20以上の酒蔵がある。
伏見は京都盆地で最も標高が低い。周囲の山々に降った雨は地下水として伏見に集まる。ミネラル、カルシウム、カリウムを含んだ水は、上品な味わいの酒を生む。
酒造りは16世紀後半に始まった。アンティークな酒蔵の建物の風景を見るのも楽しい。また、月桂冠や黄桜など、酒蔵の内部を見学したり、いくつかの日本酒を飲み比べたりできる酒蔵ツアーもある。
また、酒蔵が建ち並ぶ宇治川を遊覧船(十石船)でクルージングすることもできる。春は桜、秋は紅葉と、季節によって景色が異なる。
通常3月から12月までの期間限定(8月中旬から下旬は運休なので要注意)営業だ。営業期間はその年によって変わるので、事前の確認が必要だ。
クルーズの詳細については、こちらの「十石船クルーズ」のホームページから。
アクセス情報
伏見稲荷大社へ
JR「稲荷駅」から徒歩1分 (快速電車の停車は年末年始のみ)
京阪電車「伏見稲荷駅」から徒歩3分
伏見の酒蔵エリアへ
京阪電車伏見「桃山駅」から徒歩6分
近鉄「桃山御陵駅」から徒歩 約10分
十石船クルーズへ
阪京電車「中書島駅」から徒歩 約5分